藍様と油揚げ。
宇迦之御霊神(うかのみたま)の別名御饌津神(みけつのかみ)転じて三狐神とする伏見稲荷。
カーリーの侍女ダーキニーを音訳して荼枳尼天(だきにてん)又の名を白辰狐菩薩とする豊川稲荷。
山岳信仰を発祥とする天狗姿で白狐に乗った姿の飯縄権現を祀る飯縄神社。
ダキニ天のまたがるのは夜干(ジャッカル)であるが中国にジャッカルは居ないので狐に。
いずれにしても狐そのものは神の使いとされる。モフモフばかり餌付けしてないで主人にも挨拶せんかいというお話。
さておき狐に油揚げであるが、元々は豆腐の油揚げではなく鼠の油揚げである。
狂言「釣狐」に「上々の若鼠を油揚げに」とある。(この老狐の化ける「白蔵主」をアレンジしたのが水木しげるの「白山坊」だろうか?)
野鼠や野兎を食べる事を思えば自然である。しかし何故わざわざ揚げるのか。罠にしかけるだけなら別に揚げる必要はあるまい。
間違いなく人間用の調理法である油揚げであるがダーキニーの修行者の栄養食に鼠の油揚げがあり、それをお供えしていたという話がある。
世界的に見れば鼠を食べるのは大して珍しい事では無い。寄生虫の類も熱処理すれば死滅する。エキノコックス恐るるに足らず。
行者が自分の食料をお供えするのも自然な事と言える。……のだが、どうもらしいらしいばかりで裏が取れない。
名残程度でもインド・チベット方面に齧歯目の揚げ物が存在すれば確実なのだが。
ちなみに豆腐であるが中国の僧侶の精進料理である唐符が遣唐使によって伝えられたとされる。
「〜符」というだけで反応してしまうのは東方ファンの悲しい性か。
藍様衣装妄想
うむ